20190717 仮想通貨会計(H31税制改正)

このブログの中で以前、確か1年ほど前に仮想通貨会計についてまとめた記事を書いたのですが、H31年税制改正によって修正が必要な事項が出てきましたので備忘のため記録します。

丁度1年前の記事、20180717の仮想通貨会計のブログでの以下の部分、修正です。

法人税上の取り扱い】

基本的な考え方として外貨取引を想定している

→H31税制改正:基本的な考え方として売買目的有価証券を想定している

・仮想通貨は期末評価しない(税務通信3490号)←会計と違うところ。つまり評価損益は加減算が必要。

→H31税制改正:仮想通貨は期末時価評価する。評価損益は当期の損益として認識する。

上記改正はH31年4月1日以降終了事業年度から適用が開始されます。ただし経過措置として、会計上仮想通貨の時価評価を行っていない法人で、直近の事業年度がH31年4月1日以前から開始している場合には、その事業年度については期末時価評価及び評価損益の法人税法上の益金・損金算入は見送れます。

根拠条文は法人税法61条2項、3項です。

なおこの他にも、仮想通貨の法人税法の改正として以下2点が加わりました(正式に決まったといった方が正しいですが)。

・仮想通貨の譲渡原価は総平均法もしくは移動平均法とする(法定算出方法は移動平均法)

・仮想通貨を譲渡する場合には、譲渡契約日を譲渡日をみなす

所得税法については期末時価評価はありませんが、仮想通貨の譲渡原価の計算方法は法人税法と同じく総平均法もしくは移動平均法となりました。ただし、法定算出方法は総平均法であり、法人税とは異なります。

Dear Anne,

I need to update the information about the treatment of virtual currency in Japanse tax law.

At once, July 17th, 2018, I wrote about the accounting and tax treatment of virtual currency in my blog. However, the tax treatment was changed due to the new tax law. This new treatment will be applicable from the financial period which ends on or after April 1st, 2019.

As an accounting treatment, when the company has virtual currency, they need to recognize evaluation profit/loss at the end of the period using fair market value (this is the same as 2018).

And, this is the same treatment as tax low as well. This treatment seems to be as same as Trading securities, not the Foreign currency (in my last blog in 2018, I wrote that “as same as Foreign currency”, but changed).

Above the point is the big change from the past.

This treatment will be applicable from the financial period which ends on or after April 1st, 2019. However, if the current financial period started before April 1st, 2019, and the company does not evaluate the virtual currency at the end of the period in accounting, they do not need to apply this change in this current period.

Thanks.

”扶養に入る”とは

最近あったある方の事例で、”扶養に入る”とは何ぞやというのをまとめてみました。

事例1:子育て真っ最中のAさん(女性)。子供を保育園に預けることができたので、働きに出ることにしました。Aさんの勤務形態の希望は、”夫の扶養の範囲内”。とてもよい会社に時短正社員での採用が決まりました。会社は夫の扶養の範囲内で働きたいという希望も汲んでくれ、年103万円未満に収まるようにと、1日の勤務時間は3時間程度×週5日です。

Aさんからの質問

扶養の範囲内のため源泉税は徴収されないという理解で合っていますか?

回答

やや不正確です。正確には、各月給与が88,000円以上であればその月の給与から源泉税は一旦徴収されます。しかし年間の給与合計が103万円以下であれば年末調整において一旦徴収された源泉税は全て還付されます(源泉税が戻ってくるので、税金はかからないということになります)。なお今給与の話だけしていますが、Aさんに給与以外の収入(不動産、配当など)がある場合にはそれら全部の合計(合計所得*が38万円以下か否か)で扶養の範囲か否かが判断されますのでご留意ください。

*所得:収入と所得は違います。簡単にいうと、収入は手取りです。所得は収入からいろんな控除額等々を引いた額で、所得×税率=税金となります。 給与だけが収入源の方は源泉徴収票に所得金額の記載欄があるのでチェックしてみましょう。

また、夫(あるいは妻)側で”配偶者控除を受けたい”という場合には”扶養に入る”働き方(年間103万円以下の給与収入 or 年間38万円の所得)に追加条件が必要です。現在の税法では、扶養者(家計で稼ぐメインの人)の給与所得の幅によって配偶者控除の金額は異なります。 国税庁のこちらのページをご参照ください。タックスアンサーNo1191 配偶者控除

リンク先表の 3.配偶者控除額の金額 にあるとおり、扶養者の所得金額によって配偶者控除を受けられる金額は変わってきます。 扶養者の所得が1,000万円超になると配偶者控除は受けられません=扶養者の税金は減りません。この場合配偶者控除は受けられませんが、収入103万円以下で働く被扶養者(事例1だとAさん)には税金がかからないのは同じです。

事例2:5月に結婚したBさん(女性)。今まではフルタイムの正社員で働いていましたが、結婚を機に、パートタイムでの勤務を希望しました。会社側はBさんの希望を汲んでくれ、6月からパートタイムでの勤務となり、週2日×7時間の勤務となりました。

Bさんの希望

今年の1月から5月までの給与収入合計が200万円ありますので、今年は扶養に入るのは諦め、来年の1月からは扶養の範囲内で働きたいと思っています。

回答

承知しました。では、社会保険の方はどうしますか?

Bさん

社会保険も来年の1月から扶養に入れるのではないですか?

回答

社会保険については扶養に入るかいなかは年間収入130万円未満であることが必要ですが、この年間とは所得税のように1月1日~12月31日を指すのではなく、勤務形態が変わって以降その先1年間の見込み収入のことを指します。よって、Bさんの6月以降翌年5月までの見込み収入が130万円未満であれば、社会保険のほうは所得税に先んじて扶養の範囲となる場合があります。なお実際には扶養者の健康保険組合の判断を仰ぐ必要がありますので、社会保険について扶養に入る場合には夫側の健康保険組合にて条件を確認ください。

通常「扶養に入る」という場合、税金(所得税)の話だけを頭に入れている方が多いのですが、扶養に入る場合には社会保険の方も考えなければなりません。 また、所得税と社会保険は扶養の基準が異なります。

なお、社会保険料の適用範囲は広がっており、現在はパートタイマーやアルバイトでも一定の条件にあてはまる人はその会社で社会保険に入ることになります=勤務形態によっては扶養に入れないこともあります。会社の規模や健康保険組合の判断基準がありますので、詳しくは加入されている健康保険組合にお問い合わせください。

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副業と社会保険

GW長かったですね。ヒダ事務所は土日祝日はカレンダー通りお休みをいただき、私も実家の長野や夫の実家の広島など行ってゆっくりできました。

表題とは無関係ですが、帰省した際に国営アルプスあづみの公園のチューリップを見に行って、一番気に入ったチューリップをご紹介。

本当に美味しそう。花弁が半分開いている形が正にクリーム。舐めれそうでした。こういうチューリップもあるんですね。

1、二か所給与の留意事項

さて表題の件、GW前に日経の記事を読んでいたら、二か所給与をもらっている場合の社会保険に注意、というものがあったので私も考えてみました。副業推しの世の中ですが、他で給与をもらいながら自宅開業して個人の会社を作る場合には注意です。

通常気になるのは①源泉税 ②社会保険の2つだと思います。たとえばAさんが給与をもらっている会社が複数ある場合で、それぞれ単純に従業員として働く場合ははメインの会社とサブの会社を決めて、それぞれの会社の人事担当に「メインです」「サブです(他にメインの給与収入あります)」と言えば一応は済です。特に後述する社会保険を除き、源泉税は会社が勝手に計算してくれます。

①源泉税
Aさんが自分で会社を持っていながら他社でも働いている場合、通常はメインの会社を甲、サブの会社を乙として、源泉税の徴収票に記載の税額を各月納めればよいです。下記にリンクのある源泉徴収月額表を見てみてください。

給与所得の源泉税額徴収表(月額表)

甲というのが「メイン」、乙というのが「サブ」と読み替えてください。サブ(乙)の方が税金が高いですが、これは国が税金の取り漏れを防ぐ目的で事前に高く設定しているだけです。

2か所だろうか3か所だろうが、給与が2か所以上からある場合には確定申告をして源泉税を納めます。年末調整の対象ではない(仮に年末調整をやった会社があったとしても、それで完了ではない)ので注意です。

乙欄計算で取られすぎた税金がある場合は、確定申告をすることで戻ってきます(還付されるかどうかは合計所得によりますが)。

②社会保険 
Aさんが2か所の給与から社会保険をそれぞれ徴収されている場合には、後述する3、二か所で社会保険に加入している場合にしたがって、自分で健康保険をまとめる必要があります。

ここで問題なのが、Aさんが副業においても社会保険の適用対象者か否かです。

2、社会保険の適用対象者か否か

社会保険の適用対象者か否かの前に、そもそも副業で従事している企業(事業)が社会保険の適用事務所か否か…という判断があるのですが、個人事業でもない限りは基本的に社会保険の適用事務所です。Aさんが副業で設立した一人会社(一人だけで運営している株式会社、合同会社など)も社会保険の適用事務所ですので、ここではその判定は割愛します。

社会保険の適用事務所である会社(もしくは事業)に従事する場合、社会保険の適用対象者か否かは以下で判断されます。

① 1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している一般社員の4分の3以上である方

②一般社員の所定労働時間および所定労働日数の4分の3未満であっても、下記の5要件を全て満たす方

  1. 週の所定労働時間が20時間以上あること
  2. 雇用期間が1年以上見込まれること
  3. 賃金の月額が8.8万円以上であること
  4. 学生でないこと
  5. 常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること

また、会社代表者(役員)はそもそも勤務時間の決まりなどはなく、24時間365日会社に勤務している(会社の事業を行っている)とみなされますので、自動的に社会保険の対象者です。

ただし社会保険は払う給与がない場合にはそこから計算する社会保険もありませんので、副業として会社を設立したがそこから払う役員給与は0円である場合には、社会保険料を払う必要はありません。

よって、Aさんが副業で1人会社を設立し、その1人会社から少しでも給与をもらえば自動的に社会保険に2か所入ることになります。

社会保険の適用事業所であって、社会保険に入る必要がある人は、所属する会社の担当の年金事業所に対して社会保険の適用手続きをします。その結果、一旦健康保険証は2枚になります(以降3で記載します)。

3、二か所で社会保険に加入している場合

社会保険に2か所入ると、それぞれの給与から社会保険料が引かれて納める必要がありますが、そうすると健康保険証が2枚となってしまいます。

年金保険料も、メインの会社は千葉年金事務所、サブの会社は群馬年金事務所・・・などと分かれてしまいます。

そこで、2以上の社会保険に入ってしまうことになった場合には、「2以上の社会保険に入ってしまってますよー」ということを行政機関に通知する必要があります。

具体的には、メインとする年金事務所を決めて、 「 健康保険・厚生年金保険被保険者所属選択・二以上事業所勤務届 」 をその年金事務所宛てに、自分で(Aさん自身が)提出します(日本年金機構説明ページ)。
なおこれはメインの会社もサブの会社も、両方とも協会けんぽが健康保険である場合の処理です。協会けんぽであるかどうかは健康保険証を見ればわかりますのでご確認ください。協会けんぽではない健康保険に入っている場合には、それぞれの健康保険組合へ問い合わせ、そこの指示に従った手続き必要です 。

2以上の社会保険に入っているということが国側でわかれば、あとは特に心配せずとも国側が処理してくれます。社会保険料は2社合算の給与に対して計算され、それぞれの会社で負担すべき社会保険料を通知してくれます。
メインの方に副業がばれたらまずい、という方は今やあまりいないのではと思いますが、もし副業がばれたくないという場合には、副業側から給与はもらわない or 上記2に記載の社会保険適用対象者にならないことが必要です(さらに確定申告で住民税のケアなどが必要です) 。

副業に限らず、一人でいくつかの会社を経営されている(いくつかの会社の代表者になっている方)は要注意です。社会保険料を払っていれば特に問題とされることはないと思いますが、2か所それぞれで計算した結果取られすぎ、もしくは徴収額が少ないと指摘されることもありますので今一度ご確認いただければと思います。

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適格請求書保存方式 (消費税改正、区分記載請求書)

新元号が令和になりましたね。外国語表記はReiwaだそうです。×Leiwa
外務省は西暦表示を標準にする方針にするそうです。元号は時代の区切りっぽいので存続賛成ですが、実務は確かに面倒ですね。

さて、消費税改正が今年の10月に迫ってまいりました。大体は理解しているつもりですが、税理士会の研修などで細かい点をフォローしています。

消費税改正も今年の10月から(軽減税率)と、2023年の10月から(登録番号制&適格請求書方式)の2段構えなので、
とりあえず直近はは8%と10%の違いとタイミングだけ掴んでおけば特段問題はないのですが、請求書(レシート、Invoice)の方式について学んだのでシェアします。

今年の10月1日から軽減税率が適用されるにあたって、事業者が発行する請求書は「区分記載請求書」方式となります。
といってもそんなに構える必要はなくて、ざっくりいえば、
8%と10%の取引を区分して請求書を作ってね
っていうだけです。 そして引き続き請求書を保存してね、という。

区分して請求書を作るとはどういうことかと申しますと、たとえばスーパーで以下の買い物をしたとしたときの請求書はこういう形(例)

果物200円、刺身800円、乾電池400円(以上全て税抜き)の場合

果物216円
刺身864 円
以上8%対象 1,080 円

乾電池440円
以上10%対象 440円
合計1520円

こんな感じです。

全部一律に示して、軽減税率(8%対象)について印をつけてもいいです。
例えばこういう形↓

果物216円※
刺身864円※
乾電池440円
※8%対象1,080 10%対象440
合計1,520円

区分記載請求書方式では、「税率ごとに区分して合計した税込価格」を示すこととされているのでわかりやすいように項目別に税込で記載していますが、
★税抜の金額を合計して、税率別の消費税額を記載して小計で示しても勿論OKです(果物200円、8%対象消費税16円、小計216円というような)

具体的な品目ではなくて、軽減税率が適用されるものであることがわかる分類名で表記してもOKです。

食品216円※
食品864円※
生活用品440円
※8%対象1,080円 10%対象440円 
合計1520円

食品が8%なのはレシート見ればわかりますもんね。
部門1※216円、部門2 440円というような、社内での分類を使って表記するのはだめです。何を販売/購入したのかわからないのはだめと。今こういうレシートもあまり見ないのかなとは思いますが。

さて次に、手書きの領収書などはどうなるでしょうか。
例えば鮨店に行ってその場で10,000円分の食事をして、お土産で3,000円のお持たせを購入した場合、今までなら1枚の領収書に「食事代 13,000円(税込)」というような記載がされたのだと思いますが、領収書も区分して記載する必要があるのでしょうか。

「区分記載請求書」保存方式といわれている以上、区分して記載するのが正解です。
手書きの領収書の場合には、お店側で「うち軽減税率対象 3,000円(税込)」などと追記してもらう必要があります。
お店側が記載してくれなかった場合には受け取った側が追記することも勿論できますが、受け取った側がなんでもかんでも記載していると本当にそれが正しいのかどうか、税務調査などで議論の的になることも考えられますので、なるべくお店側に記載していただく方がいいでしょう。

上記を勘案すればスーパーやコンビニなどでレシートの他に領収書を別途もらう場合がありますが、できればレシートの方がいいのではと思われます (領収書をもらったらレシートとともに保存した方がよい) 。
そもそも合計だけの領収書は税務上請求書の保存としては不適当である場合が多いので、税制改正にかかわらずレシートがもらえるならレシートを保存しておく方がいいです。

2023年から開始される適格請求書方式では、区分記載請求書方式との相違点は以下のとおりです。

①請求書発行事業者の登録番号を記載する
②適用税率と適用税率ごとの消費税額を記載する
③請求書を受け取る者の氏名または名称を記載しないと罰則になる(領収書の宛名が空欄だったり、上様などと書くのは禁止)

①について、課税事業者は全て事前に、課税事業者の登録番号を申請しなければならなくなります。そして、請求書にその登録番号を記載しないと正式な請求書として認められなくなります。
※補足
免税事業者は登録番号の申請はありませんので、書く必要も登録することもありませんが、商品やサービスを受け取った側が課税事業者の場合、免税事業者からの購入/サービスの提供については税額控除がとれなくなります(仕入の消費税はないものとみなされる)。 また、免税事業者は消費税を記載した請求書は発行できません(消費税分を料金に含めてもいいが、消費税とは書けない)。課税事業者が登録番号を取得しないと、また請求書に登録番号を記載していないと、その請求書は仕入税額控除の対象とならないので注意が必要です。

②については、上記の★印の部分を参照してください。初めから適格請求書方式を念頭において、税抜表示+適用税率+適用税率ごとの消費税額を記載していれば、2023年から変更することを考えなくてよくて楽ですね。

③について、罰則規定が設けられるのが新しいです。交付した側が罰則を受けます。

適格請求書方式は2023年からですが、新たにレジだのシステムだのを導入する際は区分記載請求書ではなくて適格請求書方式を念頭にした方がいいですね。そうすれば区分記載方式の方も自動的に満たします。

Excelなどで請求書を自作されている場合は、記載内容について一度顧問税理士などと相談されるのがよろしいかと思います。

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上場株式配当の申告不要制度(確定申告・住民税)

今日は村役場へ自分の確定申告書、国税ではなくて住民税の方を提出しに行ってきました。

表題の件、上場株式配当の申告不要制度を使って、住民税は申告不要にしたかったら→国税と住民税とで異なる課税方式を採用し、住民税の金額を少なくしたかったからです。

昨年度末あたりから、会計監査ジャーナル、税理士会の研修、通知等々で、「上場株式の配当等について、確定申告において国税と住民税とで異なる課税方式を採用することができることが明確化された」と記載されていて、それなら自分でまずやってみようということでトライしてみました。

通常、個人の確定申告は税務署に確定申告書を提出して終わりですが、実際にはこの確定申告は国税のための申告です。そして、税務署に提出された確定申告書は、申告者の住所のある市区町村にデータが転送され、そこで住民税の計算がなされます。

つまり国税の申告書を出しておけば住民税の計算は市区町村が勝手にやってくれるわけです。そして会社員なら会社経由で、5-6月頃住民税の決定通知書が送られてくると。

実際には、市区町村には「都道府県民税・市町村民税申告書(住民税の申告書)」というのが設置されています。使うことが殆どないためか存在があまり知られていませんが、法人決算よろしく個人の場合も実際には国と地方でそれぞれ確定申告書があるんですね。
通常、国税の確定申告書を提出することで、住民税の申告書は提出不要となっています。基本的に税金計算をするための基礎データが同じため、わざわざ2方向に出さなくてもよい仕組みです。これはこれで有難い。

さて、ここで上場会社の配当等の申告不要制度ですが、

通常上場会社の配当には20.315%の源泉徴収がされ、残りが入金されます(特定口座で取引している場合)。

内訳は国税15.315%、住民税5%です。

確定申告をする場合、配当所得の課税方式は全部で3パターンあります。

1、総合課税 
給与所得等他の所得など、総合課税対象の所得をぜーんぶ合算して、税金を算出する方法です。税率はそれらの所得合計によって決まります。

2、分離課税 
給与所得等の総合課税所得と、分離課税された所得とで別々の税率を用いて計算する方法です。総合課税所得の合算×税率+分離課税所得の税金=納税額

3、申告不要 
上場会社の配当については、そもそも申告不要とすることができます。
国税庁タックスアンサー 配当等を受け取ったとき

配当がある場合には、1~3までの課税方法の選択によって計算される税金額が違うので、有利不利が出てきます。
どれがいいかは個々人の所得と税率によりますが、ざっくりいえば、例えば所得が給与と配当だけの人の場合、給与所得+配当所得で計算した税率が15.315%よりも小さければ総合課税が有利です。
一方で給与所得がそもそも1,000万超の人(給与収入ではないのでご注意ください)などは所得税率が15.315%より大きいですから、配当については分離課税か申告不要制度を選択した方が有利です。

そして、国税で最も有利な選択をしたあと、住民税の方でもさらに有利な選択をすることができるというのが、今回のさらなるテーマです。

私が行った方法は、国税では総合課税→住民税では申告不要制度を使うというものです。

国税では15.315%とられていた源泉税のうち、総合課税の方が有利でしたので(総合課税の税率が15.315%未満)、確定申告することでいくらかを還付で取り戻し、
その後住民税において、通常そのまま何もしなければ10%+α(住民税の計算上、源泉税の住民税率5%よりも多い)の税率で計算されてしまうところ、住民税では配当はなかったことにしてください(配当所得は0円にして、住民税の税金計算から除いてください)というお願いです。

始めに記載したとおり、
「上場株式の配当等について、確定申告において国税と住民税とで異なる課税方式を採用することができる」ため、納税者にとって一番有利な方法をそれぞれ選択して、所得申告ができるのです。

なおこの方法、条文を読めば判断できることで以前より知っている人は知っていたものですが、市区町村の税務担当者によって対応はまちまちだったと聞いています。しかし、平成30年に総務省より各市区町村にはこの通達がされたようですので、今はどの市区町村でも認識・対応していると思います。

さて、実際自分でやってみての感想ですが…

正直、還付の金額が大してないのなら、国税出したあと住民税も申告書を出すなんて、わざわざそんな面倒なことをする必要はないのかなぁと。
実際私が得ている配当額は大した金額ではありませんので、数千円の住民税の還付のために村役場に事前電話連絡(上場配当の申告不要制度を使いたいので住民税の申告書がほしい)→別日に役所に出向いて自署押印していますが、この手間と移動のガソリン代をかけるだけの価値があるのかどうか…。

しかも、今回は役所側が大変親切で(多分私のところは人口が少ないのもあってこういう要求する人が殆どいないのだと思われますが)、税務課がわざわざ税務署から転送された私の確定申告書データをもとに、私の住民税の申告書を作成してあとは自署押印だけすればいいようにして待っていてくれましたが、通常は自身で確定申告書を基礎にちまちまと記入する作業があるかと思います。

上場株式の配当所得が結構多い、という方は税理士に相談などした方がよいですが、そうでない場合には税理士報酬(手間賃)をとられるくらいなら、自身で行うか(聞けば役所は対応してくれます)、多少の金額なら諦めてもいいのでは…とも思いました。

国税の申告書上で「これは住民税においてはどの申告制度を使いますか?」というような選択ができて、それを市区町村に転送してくれればいいのに…。

なお、確定申告の期日は3月15日までですが、還付だけなら3月15日を過ぎてもOKです。私と同じ手続きをされたい場合は、市区町村側で5~6月には住民税の計算&通知がありますので、遅くも4月中には役所に問い合わせされた方が無難だと思われます。

e-Tax 個人所得税の申告と税理士電子証明の紐づけ

あけましたおめでとうございます。

税理士会のHPを見ていたら、新年早々(平成31年1月4日から)、e-taxで個人の所得税のお知らせメールが電子証明を登録していないと読めないということが判明しました。

http://www.nichizeiren.or.jp/taxaccount/auth/メッセージボックスのセキュリティ強化に伴う委任関係の登録手続きについて

個人の方で電子申告をされているけど税理士にお任せで、自分は電子証明も持ってないし申告もしていないという方は、e-tax上で税理士の紐づけを行って、メッセージボックスの内容が見れるように設定しないといけません。

上記の状態に気付いて困るのは実際は個人の方じゃなくてその担当税理士だとは思うのですが…。

メッセージボックスのセキュリティ強化を目的として今回の措置がとられているそうですが、e-taxの方でこの紐づけ方法について説明されているのでこちらから入って確認、対応が必要です。

http://www.e-tax.nta.go.jp/kanbenka/msgbox_enhanced_security.htm

セキュリティの強化、、わかるんですが、面倒だなぁと思っちゃいますね。電子申告を普及させるためにはもっと簡単で使いやすい必要があると思うのですが、これくらいは仕方ないと思うべきなのでしょうか。

【年末調整】住宅ローン減税のニュース

住宅ローン減税で先日ニュース(住宅ローン控除で減税しすぎ)が出ていましたね。

年末調整の時期なのもあり、びくり!としましたが、

住宅ローン控除を受けるときに必要な初年度の確定申告時に、そもそも住宅ローン減税を受けられない人だったり、申告してきた金額が誤っていて是正すべきであった人に対して、税務署側がその点気づかず、申告された金額で処理したために誤った税金計算となってしまった→控除を多くしすぎた、ということのようです。

住宅ローン減税に関する今回の修正&追加納税について、対象となるのは基本的に

・住宅ローン取得時に贈与を受けた人で、

かつ

・その贈与を税制の特例を使って贈与税を非課税にした人

です。他にもいくつか是正すべき人の種類がいるようですが、最も多い誤りが上記のパターンだそうです。

住宅ローン減税は、個人が1年目の確定申告で提出した情報をもとに、2年目以降は年末調整で使うよう、「住宅借入金等特別控除申告書」というのが税務署からもらえるのですが、そもそも1年目で数字が間違っていた場合には年末調整で使うこの資料も訂正が入る可能性が高いです。そうすると遡って何年分かの所得税の申告修正ということになりそうです。

通常年末調整の修正というのは該当年の翌年1月31日までしか会社での修正義務はないはずなので、今回のケースは過去に遡って修正する場合でも、個人⇔税務署のやりとりとなると思っているのですが、企業側で修正をせよとなる可能性もあるのではと懸念しています。

住宅ローン減税とは別の話ではありますが、マイナンバーの成果か、税務署は年末調整でのミスも指摘してくる傾向があります。過去私が見た例では、

「平成XX年のXXXX氏の扶養控除の範囲が誤っていると思われますので、平成XX年の年末調整を修正し、算出した未納付額を納付してください」

という税務署から企業への通知がありました。扶養控除となる範囲を超えたアルバイト代を稼いだお子さんを扶養に入れていたところ、税務署側でこれは違う、と指摘されたものです。

所得税の徴収&納税義務が会社側にあるためということで会社側で対応しますが、年末調整は基本的に従業員の主張をもとに処理しているのですから・・・特に扶養の範囲というのは確認するになかなか難しいものがあります。
扶養の範囲については従業員側がきちんと源泉徴収票などで扶養者の所得を確認してもらうよう伝えていきたいですね。

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消費税の支払い額を小さくしたい?

来年始まる消費税の軽減税率制度の報道が増えている最近ですが、私の周りでは以前から、そもそも「消費税の負担が支払負担が大きい・・キャッシュアウトがつらい」という呟きをよく耳にします。特に設立3年目くらいからでしょうか、新規設立時の消費免税期間が過ぎて消費税の納付が必要になった企業など、決算後にどん!とくる、まとまった額の消費税の支払額の大きさに驚かれる方も多いのではないかと思います。

法人税の節税対策というのはよくありますが、消費税の節税対策というのはコレと言って殆どないんだよな、、と私なんかは思うのですが、いかがでしょう。

理由は、そもそも消費税は帳簿上だと「仮受消費税」なり「仮払消費税」と名前の付く通り、国からの「仮受」もしくは「仮払」=国に帰属するものであって、企業or個人がコントロールするものではないというのが原則だからです。

ただそんな消費税も、2つだけ、私が考える企業のキャッシュアウト負担を減らせる方法を記載します。

1つ目は消費税の「簡易課税制度」を採用した方が有利なケースです。実際の課税仕入額よりも、簡易課税制度が規定するみなし仕入率(40-90%、事業によって異なる))の方が大きければ、支払消費税を小さくできます。簡易課税制度が摘要できる企業の規模(基準期間の課税売上高5,000万以下)はありますし、業種によって規定されているみなし仕入率は通常の計算をした場合とおおむね同様か、もしくはそれよりも若干低い仕入控除割合を想定していると思われますので一概には言えませんが、中小企業は検討の余地ありです。

2つ目は、同じキャッシュアウトをするなら非課税や免税ではなく、課税仕入対応のキャッシュアウトを増やす方法です。特にサービス業など、支出費用の中で人件費の割合が多い会社などは、給与(不課税取引)を減らして福利厚生費(消費税が課税される取引である必要あり)を増加させることで、支払消費税を減らすことができます。

例えば、①給与20万をAさんに払うという取引を、②給与は18万を支払い、残り2万は福利厚生費(課税取引に限る)に使う とした場合、①も②も企業からのキャッシュアウトは20万円ですが、②の方では福利厚生費2万円に対する消費税、約1480円を課税仕入(仮払消費税)として消費税計算に使うことができます。

②の福利厚生費の具体例としては、例えば従業員が毎月払っているであろうスポーツジムの会費を法人契約にするだとか、会社の事業に関連した資格取得の予備校代を会社が払うとかそういったものが考えられます。

②のケースは従業員の給与が減る分、従業員の所得税、社会保険料負担も金額に応じて減りますので、とにかく税金を減らしたい!という人(従業員)と会社双方の意見が一致している(※)のであれば使える方法です。

※給与が大きいと保険料も高いですが、社会保険料のうち厚生年金保険については将来の年金額になりますので、あまりにも大胆な施策は将来の負担となりかねないという点には注意が必要です。

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【確定申告or年末調整】確定拠出年金は所得控除の対象です

年末調整の時期ということで、先月末あたりから保険料控除のための資料が皆さまの自宅に届いているのではないかと思います。年末調整に携わっている時毎回思うのですが、

税金を安くしたいのなら生命保険をいっぱいかけるより、確定拠出年金(iDeko)の方がいい

と。

従業員の立場の方も、保険料控除等申告書をご自身で書いていたらわかると思うのですが、保険料の控除額は限度があります。年間8万円(旧制度なら10万円)までの保険料の支払いがあれば、所得税の控除額は最大4万円(旧制度なら5万円)になります。なので、保険料が年10万円だろうが20万円であろうが年末調整で使える保険の掛金は8万円(旧制度10万円)までです。税金を安くするためには8万円以上の保険料は使えません。

(ちなみに保険料控除は所得を小さくする”所得控除”でして、この所得は住民税の計算でもそのまま使いますので住民税も安くする効果がありますが、ここでは簡便的に所得税だけで説明させていただきます)

よって、もっと税金を安くしたい!保険は今入っているもので十分かむしろ多いかも!と思っている方は、最近は確定拠出年金(iDeco)に加入された方も多いのではと思います。

確定拠出年金(iDeko)は個人年金の種類の一つですが、年末調整においてiDecoは「小規模企業共済等掛金」であり、個人年金型保険は「生命保険」です。
つまり生命保険と個人型年金保険に入っている場合には、年末調整で使える所得控除は生命保険料控除だけですが(※)、

保険にもiDecoにも入っている人は、年末調整において保険料控除保険料控除+小規模企業共済等掛金控除の2つが使えることになります。

iDecoが分類されている小規模企業共済等掛金控除の所得税控除枠は、掛金丸々が所得控除の対象です。実際には掛金拠出限度額がありますので無制限ではありませんが、掛金で払った分はそのまま年末調整で使えます。

(※)生命保険料と個人年金保険は別々に控除額算定がされますので、2つに入っていれば最大8万円が所得控除の枠です。さらにiDecoに入っていると、8万+iDeco分の控除枠となります。

個人年金は運用の結果元本割れしそうで怖い…と思う方は、iDecoの運用先に定期預金を選べばよいと思います。定期預金で貯金しても税金は減りませんが、iDecoで貯金(掛金拠出)すれば税金は減ります。

iDecoは途中解約ができず、運用手数料も発生し、また年金として受け取るときには雑所得もしくは一時所得として税金がかかるというデメリットもありますので一概にお得だ、とはいえないのですが、

これも年金受給のタイミングを調整するなどして、iDecoに入った方がお得になる条件を考えて掛金を決められるのも一つ手ではあるかと思います。運用手数料も高くありませんので、一定程度の余裕資金がある方は定期預金に預けておくよりは、手元資金を増やす方法としては使える制度だなという認識です。

なお確定拠出年金は、始めようと思ってから手続きに約2か月程度かかりますので、今から始めても平成30年の年末調整には間に合わないのが残念なところ…。しかし今から手続きをとれば来年の1月スタートを目指せるはずです。

既にiDecoに加入されている方は、今年の年末調整で該当書類を会社に提出するのをお忘れなく!

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【確定申告】ジムの年会費が医療費控除になる??

すっかり秋です。群馬はすっかり、しっかり秋です。朝晩は寒いです。

私の家は家電の殆どがレンタルなのですが、今年はオイルヒーターをレンタルしました。先週から大活躍。ちなみにレンタル期間は5月頃までを予定していますが、つまるところ年間のうち9か月は暖房器具が必要ということです。長野の実家でも炬燵は10月からGWまでは出ていますので、こんなものだと思っています。

さて、寒くなってくると外に出るのが億劫になりますね。ロコモティブシンドロームなどという言葉が出てきて久しいですが、私は9月からジムに通い始めています。東京でも行っていなかったジムに群馬で初挑戦。田舎は車社会なので、ただでさえ在宅勤務ということで運動量の激減状態に、これはまずい、と思いたって家の近所で探しました。

メディカルフィットネスぐんまなでしこ

名前とHPからして女性向けのように見えますが、男性も多く通ってらっしゃいます。

こちらは医療法人菊池内科クリニックが開設している内科付属のジムでして、メタボリック症候群の改善や健康増進を目的として、会員一人ひとりにあったメニューを提案してくれるのがウリです。

HPに「厚生労働大臣の認定健康増進施設」とありますが、これは厚労省が認めた運動型健康増進施設のことで、全国数多、該当施設は厚労省のこちらのページに記載されております。

この健康増進施設、リストの横に〇印がついている施設はその中でも利用料が所得税控除の対象(医療費控除の対象)になる施設です。この〇印がついている施設でなら誰でも、というわけではなく、医師の診断と指導に基づいて運動療法を行った場合(運動療法の処方せんと実施証明書を入手した場合)に限られますが。。これを見た瞬間は、私も医療費控除できる!と目を輝かせたのですが、やはりそんなに簡単にはいかないですね。

参考)日本健康スポーツ連盟のサイトの医療費控除までのフロー図

とはいえ普通のジムなら年間会費10万は超えるところが殆どかと思われ、メタボの指導を受けているとか、内科の指示で運動量を増やせといわれているとか心当たりのある方は、ジム料金を医療費控除として使えるかもしれないので要チェックです。

私が行っている「ぐんまなでしこ」はまだ医療費控除の対象施設ではないのですが、今年~来年には申請を出して対象施設にするというお話を聞いていますので、リスト上でまだ対象施設にはなっていないけれど近々対象になる、というジムもあるかもです。

お近くの施設を探して、問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

 

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