”扶養に入る”とは

最近あったある方の事例で、”扶養に入る”とは何ぞやというのをまとめてみました。

事例1:子育て真っ最中のAさん(女性)。子供を保育園に預けることができたので、働きに出ることにしました。Aさんの勤務形態の希望は、”夫の扶養の範囲内”。とてもよい会社に時短正社員での採用が決まりました。会社は夫の扶養の範囲内で働きたいという希望も汲んでくれ、年103万円未満に収まるようにと、1日の勤務時間は3時間程度×週5日です。

Aさんからの質問

扶養の範囲内のため源泉税は徴収されないという理解で合っていますか?

回答

やや不正確です。正確には、各月給与が88,000円以上であればその月の給与から源泉税は一旦徴収されます。しかし年間の給与合計が103万円以下であれば年末調整において一旦徴収された源泉税は全て還付されます(源泉税が戻ってくるので、税金はかからないということになります)。なお今給与の話だけしていますが、Aさんに給与以外の収入(不動産、配当など)がある場合にはそれら全部の合計(合計所得*が38万円以下か否か)で扶養の範囲か否かが判断されますのでご留意ください。

*所得:収入と所得は違います。簡単にいうと、収入は手取りです。所得は収入からいろんな控除額等々を引いた額で、所得×税率=税金となります。 給与だけが収入源の方は源泉徴収票に所得金額の記載欄があるのでチェックしてみましょう。

また、夫(あるいは妻)側で”配偶者控除を受けたい”という場合には”扶養に入る”働き方(年間103万円以下の給与収入 or 年間38万円の所得)に追加条件が必要です。現在の税法では、扶養者(家計で稼ぐメインの人)の給与所得の幅によって配偶者控除の金額は異なります。 国税庁のこちらのページをご参照ください。タックスアンサーNo1191 配偶者控除

リンク先表の 3.配偶者控除額の金額 にあるとおり、扶養者の所得金額によって配偶者控除を受けられる金額は変わってきます。 扶養者の所得が1,000万円超になると配偶者控除は受けられません=扶養者の税金は減りません。この場合配偶者控除は受けられませんが、収入103万円以下で働く被扶養者(事例1だとAさん)には税金がかからないのは同じです。

事例2:5月に結婚したBさん(女性)。今まではフルタイムの正社員で働いていましたが、結婚を機に、パートタイムでの勤務を希望しました。会社側はBさんの希望を汲んでくれ、6月からパートタイムでの勤務となり、週2日×7時間の勤務となりました。

Bさんの希望

今年の1月から5月までの給与収入合計が200万円ありますので、今年は扶養に入るのは諦め、来年の1月からは扶養の範囲内で働きたいと思っています。

回答

承知しました。では、社会保険の方はどうしますか?

Bさん

社会保険も来年の1月から扶養に入れるのではないですか?

回答

社会保険については扶養に入るかいなかは年間収入130万円未満であることが必要ですが、この年間とは所得税のように1月1日~12月31日を指すのではなく、勤務形態が変わって以降その先1年間の見込み収入のことを指します。よって、Bさんの6月以降翌年5月までの見込み収入が130万円未満であれば、社会保険のほうは所得税に先んじて扶養の範囲となる場合があります。なお実際には扶養者の健康保険組合の判断を仰ぐ必要がありますので、社会保険について扶養に入る場合には夫側の健康保険組合にて条件を確認ください。

通常「扶養に入る」という場合、税金(所得税)の話だけを頭に入れている方が多いのですが、扶養に入る場合には社会保険の方も考えなければなりません。 また、所得税と社会保険は扶養の基準が異なります。

なお、社会保険料の適用範囲は広がっており、現在はパートタイマーやアルバイトでも一定の条件にあてはまる人はその会社で社会保険に入ることになります=勤務形態によっては扶養に入れないこともあります。会社の規模や健康保険組合の判断基準がありますので、詳しくは加入されている健康保険組合にお問い合わせください。

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