20180717 仮想通貨の会計処理と税務

平成30年3月14日付で企業会計基準委員会(ASBJ)から出された(平成30年4月26日に若干訂正された)実務対応報告第38号(資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取り扱い)をもとに、仮想通貨と会計、税務の最近の動向について7月4日に研修会に参加しました。

Reportというよりは、簡単に現状のポイントを記録します。

★当該実務対応報告の発行によって、仮想通貨交換業者と仮想通貨利用者の基本的な会計処理が具体化されました。

特別なことはなくて、概ね会計に携わる人の一般的な想定通りとのこと。

【参照資料】

仮想通貨(ビットコイン)の仕組み、会計(監査)及び税務申告

JICPA東京新宿会

平成30年7月4日

【企業会計基準委員会実務対応報告第38号】

ASBJ 実務対応報告第38号

1、当実務対応報告の対象と対象外

1)対象

・仮想通貨交換業者

・仮想通貨利用者(マイニングも含まれる)

2)対象外

・ICO(Initial Coin Offering、自己発行)

2、当実務対応報告で示されたこと

活発な市場がある仮想通貨とそうでない仮想通貨について、それぞれ期末処理(評価)、売却損益の認識時点、そして注記含む開示方法が決まった。

3、内容

1)期末処理(評価)

活発な市場がある仮想通貨は期末時価評価(市場価格にて評価)

活発な市場がない仮想通貨は取得価額だが、期末における処分見込価額が取得原価を下回っている場合には処分見込価額←棚卸資産の評価減と同じイメージ。

評価損益は切り離し法を採用

・なおここでいう活発な市場価格の市場とは、仮想通貨交換業者及び仮想通貨利用者が主に利用する仮想通貨取引所での価格でOK。

・仮想通貨交換業者が預託者から預かった仮想通貨は期末評価替えしない。

2)売却損益の認識時点

・仮想通貨売買の合意が成立した時点

3)開示方法

仮想通貨の売却収入から売却原価を控除して算定した純額をPLに表示する←為替差損益のイメージ。「仮想通貨売却損益」のような勘定科目が考えられます。

・期末において保有する仮想通貨(仮想通貨交換業者が預託者から預かっている仮想通貨も含む)については、以下3点を注記する。

①保有する仮想通貨のBS合計額

②預託者からあずかっている仮想通貨のBS合計額

③活発な市場が存在する仮想通貨と、そうでない仮想通貨を別にして仮想通貨の種類別保有数量及びBS価額

・なお上記注記は仮想通貨総額が資産総額に比して重要でない場合には不要。

4)その他補足

・仮想通貨の取得原価には付随費用が含まれる

・仮想通貨で物品を購入したりなどして決済した場合には仮想通貨の売却が認識されるので仮想通貨売却損益などが出るはずです。

【法人税上の取り扱い】

新宿税務署の担当者が講師をしてくれましたが、税務署として公に出せる取り扱い概要は現時点ではないとのこと。

ただし、税務通信等で出されている内容として以下ご教示いただきました。

基本的な考え方として外貨取引を想定している

・会計帳簿上は仮想通貨勘定を作る

代金を仮想通貨で収受した場合、領収書には印紙不要。ただし仮想通貨で代金を受け取った旨領主書に記載する。

仮想通貨は期末評価しない(税務通信3490号)←会計と違うところ。つまり評価損益は加減算が必要

・損益は取引ごとに認識する

【個人課税上の取り扱い】

こちらも新宿税務署の所員が講師で、平成29年12月1日に国税庁から出た個人課税課情報第4号 仮想通貨に関する所得の計算方法等について

を解説していただいた形です。

・タックスアンサー等には、「ビットコイン」という単語が頻出するが、すべてビットコインに限らず「仮想通貨」に読み替えて摘要する。

・事業所得の棋院となる行為に付随して生じる場合を除いて基本的に雑所得タックスアンサーNo.1524)。なので雑所得内では損益通算可。

・事業所得にできるかどうかは仮想通貨売買だけで生計を立てられるレベルか否か

・取引ごとに損益認識

仮想通貨の取得価額算定方法としては移動平均法が相当。ただし継続摘要を要件に総平均法でもOK

コインチェックの流出問題などで損害賠償金として支払われる金銭は課税所得(本来賠償金は非課税所得だが、本来所得となるべき者又は得るべき利益を喪失した場合にこれを賠償されたのであれば、非課税にならない。タックスアンサーNo.1525

・マイニングで仮想通貨を得た場合、マイニングのためにかかった費用は雑所得の必要経費として扱ってよい。

【補足:消費税】

仮想通貨の譲渡にかかる消費税は非課税タックスアンサーNo.6201の(3)

しかし課税売上割合には含めない(課税売上割合の算定上は不課税扱い)非課税となる有価証券の範囲と課税売上割合の関係

・仮想通貨のマイニングについては不課税

以上です。

Dear Anne,

If the company use 仮想通貨,

– acquisition cost contains incidental costs.

– acquisition cost is calculated by basically 移動平均法. But they can use 総平均法 if you continue to use that way.

– when they use 仮想通貨, they need to recognize profit/loss in every transaction.

– if they have 仮想通貨 at the end of period, they need to evaluate their 仮想通貨 by using active market price. However, they cannot treat those evaluation profit/loss as profit/loss in tax.  

– if the 仮想通貨 doesn’t have active market, the 仮想通貨 would be evaluated as acquisition cost at the end of period. In some cases, the company would need to recognized impairment loss.

 the profit/loss of 仮想通貨 would be shown as like “仮想通貨損益” on PL. This treatment seems like treatment of foreign currency. In the foreign currency, you always use 為替差損益 in PL, right? This is very similarly to 仮想通貨損益.

– when they sell their 仮想通貨, that transaction is categorized as 非課税取引. When the company buy the 仮想通貨, that transaction is categorized as 非課税取引 as well. However, they cannot use those transactions as 非課税取引 when they calculate 課税売上割合.


Thanks,

Yukiko

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